「舞っ!!」 珍しくアイツがあたしの名前を呼んだ。 思わず、足を止める。 『何っ!?』 ちょっと不機嫌に返事をした時には、もうあたしの腕はアイツに引っ張られていて。 ちゅっ。 唇が、何か温かいものに触れる。 『…~!?』 「じゃあ、またな」 そう言って、アイツは涼しい顔で家に入っていく。 ちょっと待ってよ。 そう言いたいけど声にならない。