「くそっ、離せ! 待て! ヒューイ! てめえは俺が、殺すっ…!!」

「レイ様」
 
押さえつけている従者が耳元で囁いた。

「申し訳ありませんが、足を折らせていただきます」
 
ヒューイへの憎悪があまりにも激しかったため、何を言われているのか分からなかった。
 
分からないうちに。
 
右足に激しい痛みが走った。

「──っ!?」
 
息が詰まった。
 
痛みは足だけに留まらず、体中を電流のように駆け巡った。

「あっ…!? あっ…ああああああ!!」
 
暴れようとするが、押さえられてしまっていて、のたうち回ることも許されない。

「もう一本、いきます」

「─やめっ…」

 
レイの絶叫が、『NOAH』内部に響き渡った。

 
壁から溢れる白い光が、悲しげにそれを照らしていた…。