車内は無言で、雨の音だけが五月蝿い。 秋人さんは、「…ありえねー」と自嘲したように笑う。 さっきの春兄とのやり取りに反省しているような表情は少し疲れていて、 何だか、一人の世界に入ってしまった秋人さん。寂しいと思うあたしは変なのか。 「…秋人さん」 無意識に出た呟き。 「嬉しく、ないんですか」 心臓がバクバクと盛大に鳴りだす。 「会いに、来てくれたんでしょう?」 秋人さんがやっとあたしを見つめた。 「久しぶりに、会えたのに、」 「笑って下さい」 いつもの様に、笑った顔が好きなんです。