春兄は呆れたように溜め息をつくとあたしの背中を押す。小さく「面倒くさいねぇ」と言いながら。
「小春、おまえシスコン通り越して、日和の事が好きだなんて言わねーだろな」
「秋人、漫画の読み過ぎ。勘弁して」
溜め息をつきたくなる春兄の気持ちわかり過ぎる位分かります。
だけど、秋人さんはまだ不機嫌な表情を変えない。
「おまえは嘘つくの下手なんだよ」
その言葉に、表情をかえたのは春兄。
「…秋人だけだよ昔から。そんな事言うのは」
春兄は心底楽しそうにククと笑う。だけどいつもの穏やかな笑みじゃなくて、人間くさい本当に親しい人に向けるような笑い方。

