ぼくなりの「青春」を語ってきましたが、あとはどう自分の考える「青春」を作品に生かすか、ですね。



ぼくが今共同で書いている『声恋』という小説は、主人公は女子高生で、憧れの声優に恋をしています。ふつうそういう「憧れ」って周りから見るとちょっとはずかしいというか、しらけてしまう時もあるんですが、彼女はひるみません。男の子にも女の子にも、すごく「好きだ」って公言しています。その本気さが、やがて彼女と声優を引き合わせます。その出会いは偶然のように思えて、偶然ではありません。彼女自身の力で、その人を探し当て、めぐりあう。運命を自らの手でたぐりよせます。



そして彼女自身も、声優になりたいと言う夢を持ちます。そのための手助けを同級生に頼みますし、いろいろな努力をします。時おり自分に自信がなくなって不安になったり、好きが高じて暴走気味になったりもしますが、そんな姿をもおもいっきりさらけだします。120%の自分でいることが彼女が彼女である理由なのです。



そして、彼女が最後にどうその「青春」をはじけさせるのか…それは、読んでいただいてのお楽しみ、ということで。



以上で、今回の「青春」をテーマにしたお話は終わりです。
なにを書けばいいのかよくわかんないなぁ、という人も、とにかく登場人物に「夢中になれるもの」を与えてください。そうして本気で向き合いさせれば、いろいろな苦悩やよろこび、悲しみに出会うでしょう。それでもう、十分青春小説と言えると思います。



どうぞ、みなさんもがんばって作品を書き上げてください。ぼくたちもがんばります。



そして作品ができあがったときには、皆さん自身の青春にも、新しい1ページが書き加えられていることと思います。