『東京特許許可局の局員の許可証』




「う、うーん、ゴホ、ゴホ。あー、あー、では、最初のお題をやります。『ありがとう』で喜怒哀楽を表現します」




優一くんが買ってくれたマイクスタンドにケータイをさして、音声を録音する。




「ありがとう」
(蓮也さんがプレゼントをくれた!)




「ありがとう」
(蓮也がほかの女性といちゃいちゃしてるとこ、見ちゃったんだからね!)




「ありがとう」
(いままでありがとう…蓮也さん)




「ありがとう」
(デート中、蓮也さんが飲み物を買ってきてくれたよ!)




「えーと…次は『31歳のOLが、年下なんだけど上司の男性に向かって言うありがとうの喜怒哀楽』…って、こんなのが100個もあるの?!」