新しく始まった、高二の春。



わたしはこのメガネのゲームオタク、鷹井優一(たかい・ゆういち)くんといっしょに登校することになった。




これで登校中でも恋愛ゲームの蓮也さんといっしょに学校に行ける! って思ったけど…ヘッドフォン取り上げられちゃった…あーぁ、せめて音出せばいいのに。




「あ一、くそ…! こいつすごい邪魔してくんな。ウラキ…カズマだっけ?」




「はいっ、神月蓮也(こうづき・れんや)さんでーす!」




「それこのキャラの声優の名前だろ? …なんで初めてやるゲームなのに名前知ってんの?」




「それはわたしが蓮也さんの大っファンだからでーす♪ はぁ〜、この蓮也さん声のカズマくんと、ほんとにデートしたいなぁ〜…」




「いや、そいつプレイヤーの狙った女の子を横からどんどん奪ってくキャラだから…マジでこんなやつがいいの?
ていうかそもそも二次元キャラだから。三次元の桜木さんがデートできるわけないからね」




「う…わかってるけど。




優一くん…きみ、夢がないよ?」




「桜木さんが妄想しすぎなの」