『日々歳をとり ただ冷たくなる 暗黒の感情




突き動かされた衝動 いまだ目覚めぬ 落ちたケモノたち』




蓮也の甘いささやきで歌詞は進む。




甘くて、強い声。




そしてリズミカルにはさまれる、「蓮也ブレス」と呼ばれる息つぎ。




これにみんな、やられるのだ。




彼の息が直接わたしの耳にふれ、そのたびに身体の一番奥までふるえる。




やわらかな曲調が蓮也の声をそっとささえていく。




そしてサビへ。




『Wake Up! Wake Up! Wake Up!




静寂のふりをして 忍び寄る夜明け




Wake Up! Wake Up! Wake Up!




夢に濡れたまま まだ 乾き切った君のくちびる』




それまでやわらかかった蓮也の声が、一転して夜を切り裂く。




やむにやまれぬ衝動が声にのり、眠っていたわたしたちの精神をゆさぶり走り出す。




カメラは城を飛びこえてまわり、桜たちが危険をはらみつつゆれているのを映し出す。




そして場面はギターソロに流れていく。