「わたしは…あとどれくらい待てばいいんだろ…どれだけ待てば…また昔の蓮也に会えるんだろ」




「…そりゃ、つらいとは思いますけど…一年や十年で、忘れてもらっちゃ困ります」




ぼくの言葉を聞いて、塔子さんが一瞬本気でおびえたような顔でこちらを見る。




「あ…、いや、そういう意味でいったんじゃないよ。ただ、ぼくはもう、決心したんだ。この想いとともに、生きていくんだって」




「優一くんは…強いよね…そんなふうには見えないけど…って、失礼か」




そういうと塔子さんはクスリと笑った。




ぼくもフッと笑ってこたえる。




「ぜんぜん強くはないですよ…いまでもおびえている…こわいんです。すごく。蓮也さんも同じ気持ちだと思う。だから復帰作も、ああいう曲になったんでしょう?」