千夏ちゃんという彼女がいることはわかってる。
でも、ちゃんとお礼を言いたい。直接会って、自分の声であなたに伝えたい。
会ってただ一言、ありがとうを伝えたい。
会ってくれるかな…。もう、大丈夫…だよね。
わたしは、変わったよ。
きみも、変わってるかな。
ケータイを見つめる。
残されたメモリー。
いつかメールがくるかも。いつか電話がくるかも。
そんな期待と、消してしまったら優一くんとのつながりが切れてしまうかもしれないという不安で、ずっと残しておいた。
メールにしようかな。電話でもいいかな。
でも…もし…嫌われたままだったら…。
こわくて、指がとまる。
あとでいいや。
明日でいいや。
忙しいから、また今度。
そうやって、どんどん月日はすぎていく。すぎた分だけ、遠くなる。
そんなの…そんなのイヤだ。
もう、自分の気持ちをおさえられない。今にも、あふれちゃいそうだよ。
…勝手かもしれない。でも、会いたくて会いたくて仕方ない。
もう、待つだけなんてイヤだ…。
ぎゅっ、とケータイをにぎりしめたその時、手のなかでケータイが鳴った。
