「なにそれ、わたしのせいだっていうの?」
「蓮也を読んだのはキミだろ?! そのメイドの格好だって、あいつに見せたいからしてるんだろ?! なんだよ、かわいこぶっちゃって。収録のときも全然集中してなかったじゃん」
「なによ、優一くんがやってくれって言うから来たんじゃない! あんたのためでしょ! それに蓮也さんには今日やるって言ってあったけど、本当にくるなんて思ってなかったんだから! だいいちカレシの前でかわいこぶって何が悪いのよ! 好きな人にかわいく思われたいって思っちゃいけないの!?」
「…」
「…」
「…ぼく、片付けがあるから…。桜木さんも、教室に戻ったら」
「…そうする。あ、今日うち打ち上げあるから、レッスンなしで、お願いします」
「…うん、ぼくもそんなに暇じゃないから。きみばかりかかわってる時間ないから」
「ああ、そう、じゃあ、また時間できたときでいいから」
「うん、そのときメールする」
「…バカ」
「何か言った?」
「別に何も言ってません!!」