「花の心は人の心、はかなき命のものなれば、守ってみせますその美しさ。『天・地・人』を乱すもの、何人たりとも許しませぬ! ヤマトファイター・ミヤビ、ただいま参上つかまつる!」




わたしはシャキーン! とポーズをとって、てやっ、とメタボリアンに斬りかかる。




「でぇ〜た〜なぁ〜ミヤビ! 貴様なんぞパンにはさんで喰ってやるわ! くらえ! ケチャップ&マヨ攻撃! こってりはうまいぞ!!」




ジャンクフードモンスターに扮したありさちゃんが、グハグハいいながらわたしに襲いかかってきた。




「きゃあ〜、たすけて〜! 通りすがりのロウニン仮面〜っ」




ってわたしが叫んでも、うしろで歩く優一くんとエリカは完全に無視して歩いてる。




ちぇーっ、つまんないの〜。




「…あのアニメってさあ、あんだけ動きまわってんのにパンツ見えないよね。太もものアップはムダに多いけど」




「見えるか見えないか、ぎりぎりのところがいいんだよ、エリカさん」




「なるほど、チラリズムってやつですか」




「妄想が刺激され、よけいに興奮するしくみなんだ」




「あ〜ら鷹井くんも、お・と・こ、なのねぇ〜。わたしなんか逆に“もったいぶらずに見せちまえ!”って思うけど」




「エリカさんは、漢(おとこ)だよね…」




「うっ…! 立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花、 大和撫子に向かってなんと無礼な…くらえっ!」




「って!…もぅ…エリカさんもはまってんじゃんか」