「え!? わたしが?! 出るの?! PVに? 蓮也さんの? デュエット?」




「ぐっ、そんなわけないだろ。なんだよデュエットって」




「あ、えっと、ごめんなさい、なんか、ちょっと舞い上がっちゃって」




「ははっ、あやまるなよ、べつにおこってないし。次の主役のゲームのPV、あれ高校で撮影してバックで女子高生に踊ってもらうから、その人集め。陽菜も一度、こういう現場に来てみるのも勉強になると思ってさ。あ、ダンスって言っても最後、大勢の中の一人の、ワンシーンだけだから。そんなメンドくさい事はないけどな」




「ぶーぅ、わたしだって、ダンスくらいできますよぉ。これでも昔は陸上やってて、体力と身体のキレには自信がありますから!」




むん! とガッツポーズをしながらいったわたしのその言葉にも、蓮也さん電話の向こうでも軽く笑うだけだった。むぅ…バカにしおって…。




「まあ…人手が足りないからってのもあるけど…」




「…けど?!」




「…陽菜に、少しでも会えるからな」




「なっ…」




顔が、火照る~っ!! ほっぺの温度が一気に上がったのがわかった。




蓮也さん、さりげなくそんなキューンとするセリフ、言わないでくださいよぉ~。




「クリスマスプレゼント、まだもらってないしな」




ジーン。おぼえててくれたんだ…。そう、まだ会えない。会いたい、会ってわたしたい、そのことばっかり考えて蓮也さんにもいつもいってるからグチっぽく聞こえちゃってたかも…。




いそがしいのはわかってるんだけど…せつない。