寝惚けてだらしのない彼は、コレでも世界に通用する宝石ブランドの社長だ。

若干36歳ながらも、世界を相手に商売をしている。

俺は彼の秘書で、25歳。

もう3年も彼の元で働いている。

社長をシャワールームに押し込んで、キッチンに立つ。

冷蔵庫のものは2日前に買い揃えたけれど、そろそろ買い足しに行った方が良いのかもしれない。

エプロンをして、朝食の準備にとりかかった。

そして朝食が出来上がる頃には、シャワーを浴び終えた彼が来た。

「おおっ、うまそー。良くオレが洋食食いたいこと分かったな」

「あなたの側にいれば、分かりますよ」

気分屋な彼は、扱いが難しい。

けれど年月を重ねているうちに、顔を見れば何となく分かってしまうようになった。