トリッティーの壁から手




ゆっくりした喋りで男は続ける



「俺の世界はとても平和で、大きな国から外れて森に囲まれた町で俺は生まれた。
小さいながらに人がとても賑やかな町なんだ」



俺の世界……?






「だけどな、どうも俺は変わってたらしくて誰も俺に気づかないんだ……解るよな?」



最後にハハッと小さく笑い声がした。


寂しいような乾いた笑い。

チャールズは見えないながらに見つめて呟いた



見たままに





「見えない……んだよね」



バチパチ


小さな拍手



トリッティーが足を組んだままに手を叩いていた。