「どうしたの?佳代子ちゃん」 尾崎先輩が駆け寄る。 佳代ちゃんの右手はボールがぶつかったのか真っ赤になっていた。 「ごめん、佳代子。わざとじゃないの・・・」 ・・・嘘、だよね。 佳代ちゃんもそれには気がついているみたいだった。 でも"態とじゃない"そういってしまえば久美子が攻められるはずがない・・・ 「いいよっ別に。」 佳代ちゃんはそういった。 佳代ちゃんは本当に強い。 今まで十数年一緒にいた佳代ちゃんだけど、私に弱みを見せたことは一度もなかった。