「結城さん。
理事長が呼んでるんだけど良いかい?」

『、成澤先輩。
今行きます。』


華楠は二時間目終了後、教室で一人、教科書を見て予習をしていた。
すると、キャーっと廊下からはしゃぐ声が聞こえたかと思ったら帝の声が聞こえた。



「行こうか。」

『はい。』


エスコートしようと手を出した帝をスルーし、理事長室に向かう華楠。
帝は人に見られないように黒く、楽しそうに笑うと華楠の後を追った。



「あぁ!
華楠ちゃん来てくれたんだ!」

『…叔父さま、呼びました?』

「え、呼んでないよ?」

『…先輩?』


理事長室に着いた華楠は理事長に挨拶し、おかしな態度に違和感を感じてまさか、と聞いた。
そして感じていた通りの言葉が返ってき、後ろにいた帝を睨んだ。



『また、なんの悪戯ですか。』

「なんとなく?」