「華楠お姉ちゃんね、また来てくれるって!
勉強も教えてくれるって約束したんだよ?」
「おぉ、そうか!
俺は頭悪いから教えてやれないもんなー。」
ニシシッと笑う未来に釣られ、海もニシシッと歯を見せて笑う。
華楠はそんな二人を羨ましそうに見、呟いた。
『…良いですね、仲の良い兄妹って。』
二人はその呟きを聞き、動きを止めた。
「お姉ちゃんは、いないの?
兄弟!」
『あ、いえ。
弟と…兄と。』
「へぇ、男に挟まれてるんだ。
仲悪いのか?」
『…悪いです。
だから先輩みたいに優しい兄がいる未来ちゃんが羨ましいし、未来ちゃんみたいに可愛い妹がいる先輩が羨ましいです。』
珍しくニコッと笑っていった華楠。
未来はそうかなぁ〜?と頭を掻いたが、海はじっと華楠を見つめた。
「…結城ちゃん、泣いていいよ。」

