「魅惑レディを探せぇ?」


―…成澤学園理事長室。
ここでは理事長と生徒と思われる五人が話し合いをしていた。


今、疑問をぶつけたのは海。
それに対して成澤学園の理事長と思われるどことなく帝に似た凛々しい…謂わばダンディーな男が人差し指を立て、「チッチッチッ。」と左右に振った。



「違う違う、魅惑☆ladyだよ。」

「一緒じゃねぇか…。」


ボソッと悪態を吐いたのは翔。
腕には包帯が巻かれ、血の着いた服は捨てられて今は新しい綺麗な服を着ている。



「とりあえず探してくれるかい?
この学園内にいるはずなんだよ。
昔、一度小さな雑誌に読者モデルとして出ただけなのに恐ろしく反響を呼んだという魅惑の女の子が…。」


神妙な面持ちで話す理事長に、帝が軽く溜め息を吐いた。



「お言葉ですが父上。
そのように美しい女性ならこの学園でも何か反響があるはずですが。」


「まぁ、所詮噂だからね。
その女の子が見付かったら帝に結婚してもらいたくて。」


「……………………………は?」


帝の父、理事長の爆弾発言に帝は呆気にとられた。
また何を言いだすんだこの馬鹿は。と。