「私、外に出たい…!」
涙が引いてきた時、未来が力強く言った。
「外に出て、友達いっぱい作って勉強していっぱいお洒落したい…!
だから、絶対病気治すね!」
『未来ちゃん…。』
華楠は嬉しそうに、拳を握る未来の頭を撫でた。
『頑張りましょうね。
私も、出来る事はお手伝いしますから。』
「…じゃあ、一つ良い?」
『どうぞ?』
おずおずと、恥ずかしそうに切り出した未来に華楠は優しく話すように諭す。
未来は恥ずかしそうに俯いて、小さく言った。
「…また、来てね?
華楠お姉ちゃん…。」
『ッ!』
華楠は眼鏡の奥で目を見開き、コクリと頷き、笑った。
『お土産の品がなくて良ければ。』
「有難う…!」

