「ちょっ…」
『寂しいですよ、ね。』
ぽつりとこぼれた言葉。
未来は華楠の腕の中でぴくっと動いた。
『大きな部屋、便利な道具…。
そんなもの与えられてもすぐに飽きちゃいますよね。
人と関わって、笑って泣いて、怒って楽しんで。
傷付いて傷付けて、色々知っていくんです。
テレビを見たって、映るのはお喋りや映画、ニュース。
こんなところにいたら何が本当で何がどういうものなのかなんて本当の所はわからないんですよ。
怖い事もたくさんあるけど、広い世界に憧れてて下さい。
いつか、絶対病気に勝って外で自由に遊ぶって、希望を持って頑張って下さい。』
「…ふぇ…」
華楠の言葉に、未来はまた泣きだしてしまった。
華楠はよしよし、と抱き締めながら自分の目に溜まった涙をばれないように拭う。

