『どこか痛みますか!?
また、苦しかったり…』
「ち、違う、大丈夫…!」
伸びてくる華楠の手を押し返し、慌てて涙を拭う未来。
華楠はそれを心配そうに見つめ、そっと手を伸ばして未来の背中を撫でた。
未来はまた少し泣いた後、照れ臭そうに笑った。
「…ゴメンね。
お父さん、私が病気だからっていつも豪華な部屋だけ用意して構ってくれないの…。
学校にも行けないし、何かあったら駄目ってこの部屋からも出られなくて…。」
悲しげに話しだした未来。
華楠は口を挟まず黙って耳を傾けた。
「だから、全く友達なんて出来なくて、寂しくて…。
お兄ちゃんが話相手にって色んな女の人を連れてきてくれるけど、みんなお兄ちゃんが好きだから私に協力してって言うだけで…
お兄ちゃん以外、誰も構ってくれない…!」
また瞳に涙を浮かべる未来。
華楠は居たたまれなくなり、未来をギュッ…と強く抱き締めた。

