二人は大きく、まだ新しい風間病院に着いた。
二人が中に入ると海に気付いたナースやドクターは頭を下げる。
『?』
「あ〜、気にしないで。」
海は軽く挨拶を返しながら首を傾げる華楠に笑い掛ける。
華楠は気になりつつもはい、と頷いた。
エレベーターに乗り、着いたのは最上階の特別室で患者の名前は一つ。
【風間 未来様】
「これでミクって読むの。」
『風間って…この病院の?
それに妹さんで…
…貴方、風間さんですか?』
一人納得し、海に聞く華楠。
海は何それ、と笑いながら、三年の風間 海です。と答えた。
『…では、改めまして風間先輩。
二年の結城 華楠です。
宜しくお願いします。』
「プッ、いまさら?
宜しくね、結城ちゃん。
俺の事は海で良いよ。」
『いえ、結構です。』
深い関わりは持ちたくない、と心の中で呟く華楠。
海は知ってか知らずか大爆笑だった。

