華楠は怯えつつもチラッと眠っている慧を見上げた。


『わっ…!』


ホントに美形だ…!
大人っぽくて、綺麗…
こんな人だったんだ…。

華楠は寝ているからあまり怖くないのか、間近でじろじろと見つめる華楠。
そしてハッと思い出し、手を動かせる範囲で動かして眼鏡を探した。

するとカツンッと指先に眼鏡が当たった。



『んっ…!』


グッと後ろに手を伸ばし、眼鏡を取った華楠は慧の腕にあらないようにすぐに眼鏡をかけた。



『…起きて下さい、本当に。』


気分的に強くなった華楠は慧の胸をグッと押す。
だが慧は全く動かず、ぐっすりと夢の中だ。





『…つ、疲れた。』


数分後、疲れ切った華楠はふぅ、と慧の腕の中で目を閉じた。
すると、目蓋が重くなり…



『あ…だめ…』


眠ってしまったのだった…。