『北川先輩…っ!』


もうどうしたら良いかわからず、慧の名前を呼んだ華楠。
慧は華楠に見えないように口元に手をあて、心の中で呟いた。


〈先輩って、萌えるかも…。〉


それから慧は華楠から離れる事はなく、抱き締めたままの状態でまたうとうとし始めた。
華楠もそれに気付き、寝呆けてたのかな…?と優しく背中をリズム良く叩く。

慧はその感覚に目を瞑り、夢と現実の狭間を彷徨って何を思ったのか


『あんっ…!』


華楠の耳たぶに軽く吸い付いた。
そしてそのまま華楠の後頭部に手を回して…
ゆっくりと押し倒した。



『きゃっ!?』


自分の腕に華楠の頭を乗せ、もう片方の手を華楠の腰に回し、自分と向き合う様にしてまたキツく抱き締め、眠りに堕ちた。



『嘘ぉ…!』