「両親は元気かい?」

『はい!
イチャイチャしてます!』

「ははっ、相変わらずみたいだね。」

『叔父様も、相変わらずお優しくて嬉しいです!』


クスクスと笑い合う二人。

実の所、華楠の両親と理事長は親友と呼べる間柄で、華楠は小さな頃から理事長を知っており、叔父様と呼び慕っていた。

男嫌いなのに共学に来たのは理事長の影響であり、理事長のおかげなのだ。



「どうだい、慣れたかな、この学園は。」

『はいっ、もうすっかり。
まだ男性は怖いけど…
ちゃんと見なかったら怖くありませんよ!』


無理したように笑う華楠。
理事長は時々華楠を不憫に思う。



―…昔あんな事がなければ、今でもお洒落好きな可愛く明るい女の子で入れたのではないか…。