「じゃあ華楠、寝るか!」

『えぇっ!?
ほ、ホントに私の部屋で寝るの?
お布団とか、あるかな…』

「ベッドでいいんじゃないか?
こんなに大きいなら男五人増えたって大丈夫だろ」


ベッドに腰掛けてウインクする琉依に目をぱちくりさせる華楠。
まさか全員この部屋で寝るつもりなのかと。


『しっ、しんちゃん、いーちゃん!』

「すまないな、華楠…
だが大丈夫だ」

「両隣は安全な私達が固めますからね」

『ええぇっ…!』


申し訳なさそうに華楠の頭を撫でる真一も、にっこりと微笑む伊織も一緒に寝る事に異論はないらしく、むしろ乗り気で華楠の隣を確保した。


「オトンとオカンが両隣かー、きついなぁ…
ま、琉依が隣じゃないだけマシだな!」

「ばか、お前らみたいにいつでも盛ってるわけじゃない」

「琉依〜、華楠に関しては説得力0だよぉ?」

「…悪かったな」


琉依に勝てることなどなかなかない二人は楽しそうに琉依をいじる。
もう寝ないとも言い出せなくなり頭を抱えたい思いの華楠を放って話しは進む。


「はいは〜い、寝相悪いんだから一番手前は悠希でしょ〜。
んで一番奥が怪しいから琉依ね〜はいはい琉依入っちゃって〜」

「えーっ、なんで湊斗が仕切るんだよぉ」

「お前なぁ…」


ぶつぶつ言いながらも手前で待機する悠希とベッドに入り一番奥へ寝転ぶ琉依。


「んー、華楠の匂いがする…
これで華楠を抱きしめて寝られたら最高なんだが…」

『るっ、るいちゃん!
匂いとか嗅いじゃダメだよ…!』


顔を赤くして手を振る華楠ににやりと笑いかけ、布団を鼻までかけて目を閉じる琉依。
ひゃーっと華楠が涙目になり顔を抑えると隣にいた湊斗がぎゅうっと隣から抱き着いた。