お風呂場にて。


『はぁ…』


これから一ヶ月間も、男の子と同じ屋根の下かぁ…
あの五人だからまだマシだけど、やっぱり昔とはみんな変わってるし緊張するなぁ…


湯舟に浸かりながら、足をマッサージする華楠。
周りには小さなアヒルが浮かんでいる。


『それに…』


charm☆fiveに言われたこと…
一人一人の顔を思い浮かべると、はぁ、と溜息を着いた。


『成澤先輩は、女の人の変わりにしてたみたいだし…
風間先輩だって、未来ちゃんがいなければ私となんて関わりたくないんだ…
北川先輩も、私がいないと勝手が悪いって言ってたのに、突き放すような…
馨さんだって、お昼ご飯は勝手に食べにきてたのに、いつの間にか当たり前になってて…

寂しい…
志摩先輩なんて、何も言ってすらくれないんだもん…
ヤバい時は、助けてくれるって言ったのに…』


お友達と思ってた人達を一度に失って、ヤバくないわけないのに…

ホロリと涙が落ちて、頭の先までザブンとお湯に浸かった。
病室で海が、近付かない方が良いのかな、と呟いていた事を思い出す。
私がそれを望んでないのは、伝わってるはずなのに…



『…ぷはっ。
それが、当たり前なんだもん。
元に、戻るだけ…』


両頬をパチンと叩き、気合いを入れて浴槽から上がる華楠。
軽くかけ湯をしてから風呂を出た。

病室でも着ていた、丈の短いワンピースを着て、髪は軽く拭いただけで肩にタオルをかけてペタペタと部屋に戻る。

―…眼鏡は手に持って。

華楠の小さな決意の表れだった。