「華楠ー!」

『由香ちゃん、ごめんなさい、お待たせしました。』

「良いの良いの。
じゃ、帰ろっか。」

『はい。』


華楠は親友、由香と合流し、笑顔で学園を出た。



「いや、やっぱり学校では地味だよねー。
この間はあんなに可愛かったのに、別人じゃん?」

『そうですか?
気持ち的には代わりますけど。』


由香は微笑を浮かべる華楠の眼鏡を横からヒョイッと取った。

すると―…



『ゆっ、由香ちゃん!
こんな所で取っちゃやだよ…っ!
返してぇ…!』


と、華楠は涙目になって背の高い由香から眼鏡を取り替えそうと必死になった。
由香はニッと笑って華楠に眼鏡を返した。


「ごめんごめん。
にしても、眼鏡一つで代わるもんだねぇ。
見た目も、性格も。」


由香はニヤニヤ笑いながら焦って眼鏡を掛ける華楠を見る。
華楠は眼鏡を着け、はぁ、と溜め息を吐いた。


『悪戯も程々にしてくださいよ?』

「どっちの性格も可愛いけどねーッ!」