「おおおー、少し見ない間にずいぶん成長したねぇ」
『ひっ、いんっ…』
もにゅもにゅと形が変わるほどに揉むと、二方向からボコッと頭を殴られた。
「っ、いたぁ〜!」
「阿呆かお前は!
幼なじみとはいえ女の胸を不用意に触る奴がどこにいる!」
「華楠に何してくれてんのよ!」
「怖いなぁ、もう〜…」
真一、由香に殴られた頭を摩り、口を尖らせる湊斗。
チッチッチッ、と琉依が華楠の隣に移動した。
「馬鹿だな、お前らは。
女は胸より尻だろ」
『ぴっ!』
「おぉ、やらけぇ」
がしっ、とわしづかんで揉まれ、固まる華楠。
だが琉依の手はすぐにスパンッと叩き落とされた。
「いってぇ…
扇子で叩くことないだろ伊織?」
「理事長達の前です、場をわきまえなさい!」
「いーなー、俺も華楠に触りてーのに!」
「悠希も、口を慎む!」
まるで母親のような伊織に華楠も苦笑いしか浮かばない。
「この場を去るのは惜しいけど、あんたたちに話しときたいことがいっぱいあるの!
ちょっと面かして!」
「え、ちょ、由香!?」
悠希の腕を掴み、失礼しました!と頭を下げて慌ただしく理事長室を出ていく由香。
侠気の四人がぽかんと扉を見つめていると由香がひょっこりと顔を覗かせ、
「早くしなさいよ!」
と四人を急かしてからまた扉を閉めた。
「…慌ただしくて申し訳ございません、これからよろしくお願いします。
では、今日はこれで失礼します」
「またね、楽しんで」

