「その名も、矜持生徒会!」
『きょうじ、生徒会?』
「そう!
まずは会長、矜持の侠気、おとこぎ、と書いてきょうき!
小野寺 真一(オノデラ シンイチ)!
空手部、剣道部の部長も掛け持ちしてるところが由来でもあるんです!」
「…会長の小野寺です。
一ヶ月間、お世話になります」
一応charm☆fiveに向けてということで敬語ではあるが、完全に自分の趣味に走る由香の紹介に苦笑する真一はcharm☆fiveに小さく頭を下げる。
短く整えられた黒髪に鋭い一重の目。
背が190近くあり、がっちりとした体格でまさしく漢。
「次は副会長、侠気の気品!
水無瀬 伊織(ミナセ イオリ)!
茶道部部長でもあります!」
「水無瀬 伊織と申します、無礼な者も多い未熟な生徒会ですので、何卒ご指導のほどよろしくお願い致します、先輩方」
にこりと笑ってはいるが、口を聞かなかった二人にたいしてどこか棘のあるように感じるその口調にピクリと馨、慧の眉が動く。
『いーちゃん…』
華楠の呟いたその小さな声が届いたのか、伊織は華楠に向けてにこりと笑顔を向けた。
首筋まであるストレートの黒髪に銀フレームの知性溢れるその姿はやはり昔とは違い、華楠は驚くばかりだ。

