「それにしても久しぶりだな」

『そうです、ね。
今回は学園にどういった用件で?
何も聞いてませんが…』

「交換留学だな、簡単にいえば。
お互いに生徒会の五人を出す予定なんだが聞いていないか?」

『私は何も…』


華楠が真一の腕の中から斜め前を歩く帝を見ると、帝は振り返りにこりと笑みを返す。


「うちの生徒会は全員三年生だからね。
三年生でも知っているのは小数だよ、今日集会を開いて紹介とともに、って形をとるみたいだから」

『そうだったんですか、理事長から何も聞いていなかったので…
あ、じゃあしんちゃんは生徒会なんですか?』

「あぁ、一応会長だ。
ちなみに他の四人は幼なじみ四人だぞ」

『え!?
そんなことあるんですね…』


楽しそうに笑う華楠に真一も優しく微笑む。
仲よさ気な二人の様子に帝はつまらなさそうな顔をし、くるりと振り向いて真一に笑いかけた。


「小野寺会長?
申し遅れましたが成澤 帝、三年です。
生徒会がいない間、学園のことを任されてるから何かあったら気兼ねなく声をかけてね」

「先輩でしたか。
小野寺 真一と申します。
こんな状態で申し訳ございません、また改めて他の者と挨拶することになると思いますので…」

「固くならないでよ、結城さんの幼なじみなら色々聞きたいこともあるし、仲良くしてね」


にこにこと笑顔を崩さない帝に真一もホッと息をつく。
華楠は居場所もなく、とりあえず邪魔にならないようにと息を殺していた。