海は持ってきた紙袋からマフィンを取り出し、二人に配ると自分の分も出して椅子に座った。


「今日も慧の手作りだよ。
結城ちゃんがいるのに慣れちゃったからいないと勝手が悪くて困るんだってさ。
デコレーションにも苦労してたよ?」

「確かにちょっと変だよね!」


クスクスと思い出し笑いをしながらバランス悪く乗せられたチョコチップを食べる海。
未来も同意しつつ美味しそうにマフィンを頬張る。
華楠もそれを聞いて嬉しそうにマフィンを口に運んだ。



「そういえば、馨が久しぶりに昼飯忘れたって言いに来たよ。
前は常に忘れてたけど最近言わなくなったと思ったら…
結城ちゃんが作ってたんだね」

『あ、はい、少し前から。
南瓜の煮付けを気に入ってくれたんです』


ふふ、と華楠が笑うと海が少しむっとして豪快にマフィンを頬張る。


「っ、ごほっ!」

『風間先輩!?』

「あははっ、詰まった!」