「失礼するよー」

「あっ、お兄ちゃん!」


次の日、学校が終わった頃に海がひょっこりと病室に顔を出した。
そして未来の顔を見てギョッとする。


「え、化粧!?」

「うん!
華楠お姉ちゃんにしてもらったんだー」

『すみません、若いから肌にも悪いと思ったんですが…』


未来の大きかった二重はさらにくっきりと大きくなり、長かった睫毛もマスカラでより長くなっていた。
唇にはリップと兼用の薄いピンク色の口紅が塗られており、普段より大人っぽく見える。


「いや、大丈夫だけど…
上手いね、結城ちゃん。
化粧道具なんて持ってきてたんだ?」

『あ、いえ、昨日あの後由香ちゃんが来て…
家から色々持ってきてくれたんです。
それで、charm☆fiveが来るなら常にしときな!って…』

「あぁ、昨日の子が…
でも結城ちゃん化粧してる?」

『あ、化粧水位です。』


しても眼鏡で殆ど意味がない、と華楠が苦笑すると海も納得した。
目が殆ど見えないのだからあまり気合いを入れるほどの範囲はない。