ガラスのタンポポ

オレの名前…。


立ち上がりこっそり道場の壁から覗くと、5人の女が1人の女子に向かい罵倒を浴びせている。


1人の女子が陰に隠れてなかなか見えない。


「花恵はね、ずっと天宮くんの事好きだったんだよ!?」


「ドロボー猫!」


罵られてる女子は…奏来だ…。


オレにフラれた腹いせなのか、橘達が容赦なく奏来を責め立てている。


橘が一歩前に出て奏来を強く睨む。


一一一パシンッ


はっきりとオレの耳に届く程強く橘は奏来の頬をぶった。


「内海さん、その髪、邪魔じゃない?」


取り巻きの1人が橘にハサミを渡した。


残りの女が逃げようとする奏来を押さえつける。


「そのながーい髪、切ってあ・げ・る」


「…ヤ…ッ!ヤメテッ…!!」


橘がニヤニヤしながら奏来の髪に手をかけた瞬間。