【続】イニシャルはKK

「それより響吾、どうしたの?」

「ああ、ちょっと忘れ物を思い出したから」

「そっか。待ってね、すぐ開ける」

急いで鍵を取り出すとドアを開ける歌音。
部屋の中はひっそりとしてて、いくつか段ボールが積まれていた。

「引越でもすんの?」

「え?…うん。大学の近所に広い部屋を見つけたんだ。だから…」

実家に帰るんだろ?
ホントに黙って行くつもりなんだな…。