「こうして同じ気持ちを集い、我々は『鈴理さまお守り隊』という親衛隊を作り上げた。出来ることならば鈴理さんにお相手をしてもらいたいが、それは叶わない夢。ならばこうして遠巻きに彼女を見守り、お守りしようと思ったのだ」
しかし、今年の五月に鈴理さんは変わってしまわれた。
何故ならば豊福空という見た目はどう見ても平凡で取り得のなさそう、男としての魅力は我々と同レベル。
何か飛び抜けて良い所があるとも思えない1年に恋をしてしまった! いや、毒されてしまった!
二人のキスを目の当たりにした我々の気持ちは絶望だ。真っ白な灰になりそうだった、ああ、燃え尽きた灰になりそうだったとも! 羨ましいとも思ったとも!
我々だって鈴理さんにキスしてもらいたいし、追い駆けてもらいたいし、押し倒されてもらいたい!
何度悔しい思いを噛み締めながら指を銜えていたか。
挙句の果てに鈴理さんと恋人になってしまうというダブルショッキング!
三日三晩は泣いたさ。七日七晩はヘコんださ。十日十晩は廃人になったとも。
だが『鈴理さまお守り隊』は納得がいかない。
一年も鈴理さんを崇拝してきたのだ。
そう簡単に新入生の豊福空を彼女の恋人と認めれば、こっちも名が廃れてしまう! だから豊福空を試したい。君が本当に鈴理さんに相応しい男かどうかを! 我々と同じMのようだが、同じMとして君を試させてもらう!」
「それは心外っす! 俺はあんた達みたいなMじゃないっすよ!」
聞き捨てなら無い!
先輩を毒した男とか、平凡で取り得がないとか、そんな罵声よりも何よりも同じMに思われたことが一番傷付いた!
俺はMじゃない。断じてMなんかじゃないんだ。
先輩になじられたい(ハァハァ)とか、踏まれたい(グヘヘ)とか、見下されたい(キュン)とか、そんなこと一切思っていない。
反論に高間先輩が嘘つけ、と俺を指差してきた。



