「――うわぁああ、何だ。あれ」
鈴理先輩と共に体育館裏に足を運んだ俺は思わず声を漏らしちまった。
なんでか?
そりゃ目の前にドーンと男子生徒の集団が立っていたから。
もしかして彼等が例の『鈴理さまお守り隊』と呼ばれている親衛隊なのかな。
全員男ってのがまたなんとも……妙に暑苦しいし。
俺の姿を捉えた親衛隊らしき人達はまず俺にガンを飛ばしてきた。絶対に嫉妬の目だろ、あれ。恐いな。
次に俺の隣に立っている鈴理先輩にウォオオオ! 黄色い悲鳴。いや咆哮?
男の歓喜の悲鳴ってキショイな。
女の子ならキャアア~とか叫んでも可愛いのに。
男だとなんか……同じ男だからこそ男の黄色い悲鳴に引くわけで。
鈴理先輩はキョトンとした顔で集団を見つめていた。
そして俺に目を向けて向こうを指差す。
「あれは空の友達か?」
「いえ、どー見ても先輩のファンだと思うっす」
「なんだ。皆、攻め女になりたいのか? いや、全員男だから攻め男か。肉食男子にでもなりたいのか? 攻め講義ならいつでも喜んでするぞ。私的には女中心の講義をしたいのだが、男も無論大歓迎だ。男女共通に攻めポイントというものが存在するからな」
そういう意味のファンじゃないんだけど。
苦笑いを浮かべていると集団の中から二人の男子生徒が俺と鈴理先輩の前に現れた。
揃って『I Love Suzuri !!』という鉢巻を巻いている。
ついつい俺も先輩もドン引き。
愛を向けられている先輩本人までドン引きしちゃ救いようが無いと思う。
やっぱ親衛隊なんだろうな、この人達。
目前に立っている二人は揃って上級生みたいだ。
ネームプレートのカラーで分かる。一人は先輩と同じ二年生。一人は三年生っぽい。
二人はそれぞれ柳 信幸(やなぎ のぶゆき)、高間 裕次郎(たかま ゆうじろう)と名乗ってきた。
例の『鈴理さまお守り隊』と呼ばれている親衛隊で三年の柳先輩が親衛隊隊長、二年の高間先輩が親衛隊副隊長らしい。
二人はうっとり鈴理先輩に熱い視線を送って会釈。
俺にギッとガンを飛ばしてきた。
予想はしていたけどさ……こ……恐っ、男の嫉妬って醜い。



