対して母さんとはまったく血縁がない。
それが哀しいというわけじゃないんだけど、今はとても複雑。
由梨絵母さんよりも、久仁子母さんの方が一緒にいる時間は長いのに、なんてことを思って、あ、アブネ!
危うく自分の指を切りそうになって、反射的に俺はジャガイモを落とした。
「空さん大丈夫?」
びっくらこいている母さんに、
「だ、大丈夫」
俺は笑みを返してジャガイモを拾った。包丁を置いて軽くジャガイモを水で洗う。
あーあ、なにやっているんだか。
「空さん、ぼーっとしていますけど、何か嫌な事でもあったんですか?」
「え、何も無いよ母さん」
ニコッと笑う俺は、さあジャガイモを剥くぞっと空元気で包丁を手にする。
グサグサ母さんの視線が俺を貫いてきたけど、無視することにした。
今はまだ、何も言えないんだ母さん。ごめん。
今日は父さんの帰りが遅いみたいで、九時になっても父さんは帰って来なかった。
しょーがないから母さんと二人で夕飯を取った。
積極的に話し掛けてくる母さんと、頑張って会話しようとするんだけど、なんか続かない。
どうしても途中で途切れちまう。
それは十時に帰宅してきた父さんの場合も一緒。
帰ってきた父さんが俺に話し掛けてくるんだけど、どう接していいか分かんなくて、途中で会話がプッツリ。
どうして俺ってこう、自分で自分の首を締めちまう態度を取っちまうんだよ。
そんな中、夜分遅くにも関わらず先輩が携帯に電話を掛けてきて、大声で、大切な事だから二回言うけど、近くにいた父さん、母さんに聞こえるくらいの大声で、言ってきやがりましたよ。
おかげさまで俺、この場から消えたい思いを噛み締める羽目になった。
『空、喜べ! 今さっき、アリスの服が届いたぞ! 以前話していたあのアリス服だ! 現物を目の当たりにして、とても良い買い物をしたと思うほど、クオリティが高いんだ! このロングスカートはあんたにとても似合いそうだ!』
家内は一瞬にして凍りついたね!
父さん母さんが、いやまさか息子がそんな趣味を……困惑した目で俺を見てきたし。
俺は俺で、「俺は男っす!」絶対に着ないことを先輩に直談判し、「ち、違うんだよ。これは先輩の悪ふざけで」大慌てで両親に説明。



