でも青と黄色だって推測しながらも、片隅では確証を抱いていた。
このジャングルジムの色をは青と黄色だった。確かにそうだった。
ゆっくりと視線を流す。
ジャングルジムの向こう側には流れ流れている車たち。
忙しく車の行き交いを眺めながら、俺は見覚えのある道路をただただ見つめる。
道路と道を橋渡しするような横断歩道。小さな小さな線上の橋。
――そうだ、あそこで父さんと母さん。
俺は恐怖心を振り切ってジャングルジムに足を掛けた。
組み合った鉄の棒を颯爽と上り、てっぺんまで辿り着くと腰を下ろして道路側の景色、大通り側の景色を一心不乱に見つめる。
通り過ぎる車とライト、通行人、点滅信号、いつもよりちょいと高い世界。俺の苦手な高い世界。
多大な恐怖心が芽生えてくるけど無視した。
体が震えてくるけどやっぱり無視した。頭痛・吐き気さえ覚えたけど気のせいだと思い込んだ。
目が乾燥しちまうんじゃないかってくらい、瞬きもせずその高い世界で、俺は記憶のページを捲る。
俺はこのてっぺんで遊んでいた。いつも遊んでいた。
そう、そうだ。
俺は此処の場所が好きだった。
高いところから世界を見る快感を覚えちまって、此処に連れて来られる度にジャングルジムにダッシュしていた。
俺は高いところが大好きだったんだ。
今とは正反対で高いところが大好きだった。
それがなんで駄目になっちまったか。
理由は簡単、落ちちまったから。俺が大好きなところから盛大に落ちちまったから。
なんで、なんで、なんで落ちた。
これも理由は簡単、大好きな両親が向こうで轢かれるのを見ちまったから。
今の両親は辛うじて衝突を避けたけど、実親はトラックに跳ねられちまって。
幼いながらに俺は嘘だろ、え、なんでって混乱。
何が起きたか分からなくて、実親の元に駆け寄ろうと思った。
そこがジャングルジムってことも忘れて。
マヌケな話、それで俺は頭から真っ逆さまに落ちて暗転――。



