前略、肉食お嬢様―ヒロインな俺はお嬢様のカノジョ―


「さあて、今度こそ始めるか。あ、そうそう、少しくらい抵抗してもいいぞ? その方が燃えるからな」


下着のシャツごと寝巻きを捲り上げてくる先輩に、


「ちょ、ちょぉおお?! 何してるんっすかぁあ! ぎゃあああっ、エッチィィイ! 先輩のエッチィイイ!」
 

俺は悲鳴を上げて全力死守。


「おっ、空。脇腹にほくろが」「口に出さないでいいっすよ!」「言葉攻めだ。嬉しいか!」「ただのイジメですからぁあ!」「ほらほら、観念しろ。逃げ道は無いぞ」「くっ、こ、こうなったら!」「なッ、なっ! こら空!」
 

一変して焦る先輩の声音。


何故か? 俺が隙をついて先輩をぎゅーっと抱き締めているから。

コアラのようにぎゅーっと抱きついて、それこそ悪さばかりする腕も一緒にぎゅーっとして、先輩の動きを封じる。

「放せ空! これでは次に進めないだろ!」

先輩の訴えを退けて、ひたすら抱擁。

そうすると意地でも先輩は腕から抜け出そうとする。


ええい、意地でも放すか! 俺は嫌だ嫌だと首を振って先輩を抱き締め続けた。


「先輩は俺の腕の中でおねんねです! さあ一緒におやすみなさいっす!」

「あたしに指図とは生意気な! 此処から抜け出したら覚えとけよ空!」
 

そんなこと言われちゃあ、こっちだって絶対放してやんねぇ! こりゃもう持久戦だ!


「放せ!」「嫌っす!」「襲えないではないか!」「襲わなくていいっす!」「むっ、だがキスはできるぞ!」「う゛っ、き、キスされても放さないですよ」「ほぉー」「ほ、ほぉーっす」「キスされたら力が抜けるくせに」「そ、それでも放さなっ、や、やめっ、耳は反則――……」