「空から攻められるとは思わなかったぞ。あたしを鳴かせたかったのか? ん?」
ボンッと顔を真っ赤に染めた俺は、「わ、悪ノリっす!」上擦った声でお返事。さっと視線を逸らした。
どうせ俺にはそんな度胸、一抹も無いんだ。
先輩にだって本気に思われて無いだろうし、俺自身も行為には断固反対している。
だから、その、男としての台詞を言っても……先輩にはお遊びって分かって……俺ってすっごくカッコ悪いよな。
男としての魅力皆無。先輩は攻め女だろうと女の魅力満載なのに。
「そんなことないさ」
声に出していたようで、先輩は俺の言葉を全否定した。
「少し焦ったぞ。空の台詞には。見惚れてしまうくらいにな。まあ、攻め発言が似合わないのは否めないがな。特にあたしの前では」
え?
目を見開く俺に、本当だぞと先輩が綻んだ。
「焦ったから」そっと膝を付いて、
「攻め心に」ジリジリと詰め寄って、
「炊きついた」俺の下にやって来る。
反射的に後ろ後ろへと下がる獲物の俺を追い詰めるように四つん這いでやって来るハンターの彼女。
四つ角に逃げ込んだ俺は、これ以上逃げられないことに気付き、たらっと冷汗を流した。
サバイバル本番開始五分でこれかこれなのかこの展開なのか。
俺のせいか? いや、俺だけの非じゃないだろ。これは。
(ど、ど、どうしよう。先輩、目がマジモードなんだけど!)
豊福空、人生最大のピンチを迎えている気がする。



