前略、肉食お嬢様―ヒロインな俺はお嬢様のカノジョ―



「映画もよく観るんだ」


DVDを沢山買い込んでいる、でも観る暇が無くてなかなか消化できないのだと仰る彼女は折角だし、観てみるかと誘ってきた。


「空の気分も晴れるかもしれないしな。どうだ?」
  

願ってもないことで(だって何もしなかったらッアーな時間がやって来ちまう!)、俺はうんうんと頷いて誘いに乗った。


先輩は洋画邦画その他諸々のDVDを沢山買い込んでいるようで、ラックに詰め込まれているDVDの山を見せてくれた。


てっきり恋愛物ばっかりかと思いきや、アクション映画やミステリー映画、ホラー映画なんかもあった。

相当の映画通だな、こりゃ。時代物なんかもあるし。


「ほのぼのとしたい気分だな」


先輩はアニメDVDを取り出して、これにしようと俺に同意を求めてくる。


それは未来から来た猫型ロボットと愉快な仲間達の織り成す冒険物だった。


意外だな、先輩ってそういう親子が楽しめそうなものも見るんだな。


なんでも良かった俺はこっくりと頷いて(艶かしいものだったらどうしようかと冷や冷やしたけど!)、早速アニメ鑑賞開始。


二時間半あるアニメだから、十時から観たら零時半を回っちまうけど、ぜーんぜん余裕。


先輩とベッドを陣取り、童心に返った気分で映画を観ていた。


途中、先輩が呼んだのか頼んだのか、召使さんが部屋に入ってきて飲み物を新たに用意してくれたから、それを飲みながら鑑賞。


「うむ、猫型ロボットの道具はつくづく羨ましいな。あたしはあれが昔欲しくてな。父さまに作ってもらえないかと頼んだ事があった」

「それこそ未来人に頼まないと無理な話っすね。だけど俺もどこでもいけちゃうドアが欲しくて、何処で売ってるのかと父さんに聞いたことがありました。絶対億単位するドアだと思いましたよ」


「……空。子供のくせに夢がないぞ。しかしあれは便利だよな。あのドアがあれば、いつでもどこでも空の寝込みを襲えるではないか」

「……先輩こそ子供の純な夢を壊さないで下さい」
 

他愛もないことをペチャクチャ話しながら、無事に二時間半の映画鑑賞が終了。


お互いに「面白かったっすね」「癒された気分だな」スッキリした気分で、映画の感想を述べた後、就寝準備を開始する。