前略、肉食お嬢様―ヒロインな俺はお嬢様のカノジョ―




ちょいとしたハプニングはあったものの、俺はようやく風呂場に到着した。

案内してくれた真衣さんにお礼を言って、まず脱衣所にお邪魔してみる。


「うわぁ」


感嘆の声を上げてしまった。


すっげぇ、脱衣所すっごい広い。

まるで銭湯の脱衣所みたいだ。


いくつもの脱衣スペースがある。


もしかしたら召使さん達も此処を……いやいや、此処は母屋だから、きっと召使さん達専用のお風呂場がある筈。

家族専用だとしてもこりゃ広いよな。


てか、ん? 大丈夫だよな?


まだ誰も入ってないようだけど……御姉妹が入ってくるなんてとんだ青春ハプニングが……あるわけないか。


一応、この風呂場、男女で仕切られているし。


きっと思春期に入る娘さんを気遣ったお父さんの配慮だろうな。


お父さんも苦労するよな、子供が全員女の子だと。

俺は四隅の脱衣スペースを陣取って、早速湿ったシャツを脱ぐ。


「うへー」


シャツ、ぐっしょりだ。

替えのシャツ持って来て良かった。

下着のシャツもぐっしょりだし、これも早く脱いで……ズボンとパンツも、あ、一応タオルは巻いておこう。


先輩のお父さんが途中参戦してきたら困るしな。裸を見られてもいいけど、ま、一応。



曇りガラス戸をスライドさせて、俺はお風呂場に足を踏み入れる。

こりゃまた凄いのなんのって石畳風呂だ。


軽く十人は入れそうなでっかい浴槽がある。


お金持ちはすごいよな。


一回の風呂で、すっげぇ水道代が掛かっているんじゃねえの?

呆気取られていた俺だったけど、取り敢えず体を洗うために移動。
 

お客様用としていつも並べられているのか、石けんとスポンジが用意されている。

真新しいシャンプーやリンスもある。


使っても良さそうだから、これ等を借りて体の汚れを落とした。


髪を洗ってさっぱりしたところ、最後は湯船につかって極楽極楽。


あー気持ち良い。

浴槽で足が伸ばせるとかいいよな。


俺の家の風呂は、足が絶対に伸ばせないもん。 


「風呂から上がったらどうしようかな。先輩と何しよう。このまま能天気にしてると先輩の攻めスイッチが入りそうだし」