前略、肉食お嬢様―ヒロインな俺はお嬢様のカノジョ―



夕食後。


美味しいデザートのプリンを食べ終わった俺は、暫し先輩とダイニングルームで談笑を続けていた。


姉妹さん方ともちょいちょい会話を交わしながらの談笑は楽しかった。

先輩は姉妹と一線引いているけど、話してみれば悪い人じゃない。


寧ろ愉快な人達だ。


けど先輩自身が疎外感を抱いているから、彼女は姉妹とあんまり喋らない。


俺が交じってもそれは変わりなかった。


しょうがないことだと思う。

こればっかりは先輩自身が、家族に対する見方を変えないと。


例えていうのならば、先輩の家族に対する考えは俺が高所恐怖症を乗り越えるようなもの。


俺が高所に対する見方を変えない限り、トラウマは乗り越えられない。

先輩はそれと同じだ。


極力先輩と話すよう努めながら、竹之内家四姉妹と談笑していると、ノック音。



中に入って来たのは、いかにも紳士的な中年男性と、優しそうな中年女性。

彼等が四姉妹のご両親だっていうことはひと目で分かった。


だって先輩達が一斉に立ち上がったんだもん。


……これは、俺も立つべきなのだろうか?


いやでも、タイミングを逃して……ああっ、どうしよう。


オロオロするヘタレを余所に、四姉妹はご両親に会釈。

ご両親も会釈を返して、オロオロとしている俺に挨拶をしてきた。


「こんばんは。鈴理から聞いていますよ豊福空さん。いらっしゃいませ」


そう挨拶してくるのは先輩のお母さん。名前は確か桃子さんだ。


朗らかな挨拶に続いて、先輩のお父さん(名前は英也さん)も「こんにちは」すっごく優しそうな笑みで挨拶してきてくれた。


金持ちのイメージ(俺の金持ちご両親のイメージ『意地悪/うちの娘と別れんか!/この貧乏人が!/金目当てか?』etc...)からかけ離れている。