「それを言うなら咲ちゃんだって一緒じゃんか! 咲ちゃん、生粋の女の子スキーなんだし! こうやって興味があることはメモした方がいいって教えてくれたの咲ちゃんだもん!」
おいおいおい、待て待て待て。
長女の咲子さんが生粋の女の子スキー、だと?
ゴッホンと咳払いする咲子さんは、「瑠璃。口を慎みなさい」と注意を促す。
その隣で呆れ返った真衣さんが「咲子お姉さま……」、ジトーッと相手に視線を送っていた。
決まり悪そうに咲子さんは咳をコホコホ。かんなりわざとらしい。
呆気取られていた俺は鈴理先輩から座ろうのヒトコトを頂戴し、取り敢えず席に着かせてもらうことにした。
するとご姉妹も着席。向こう側に咲子さん、真衣さん、瑠璃ちゃんが座って、俺が座っている側に先輩が座っている。
嗚呼、四姉妹+α(つまり俺)で食事とか、誰が想像しただろう。
どこぞの馬鹿はこういうだろう。「ハーレムだな!」と。
確かに四姉妹、各々顔立ちが良くてついつい見惚れてしまいそうだよ。
先輩を除いて女性群を見た時、次女の真衣さんが俺の好みだなぁとか片隅で思うよ。
けどな、実際に此処に座ってみろ。
ハーレムどころか、姉妹の前でへましないかどうかで緊張しっぱなしだよ。
美人いっぱいなんだぜ、とか思う余裕もないよ。
ご両親がいないだけましかもしれないけど、まさかの展開だよ、これ。
うへっ、緊張してきたせいか食欲がた落ちなんだけど。
どうしよう、なんか戦闘から離脱してきたくなってきた。変に汗も出てきたし。
「それにしても鈴理さんが彼氏さんをお作りになるなんて、お話を聞いた時は本当に驚いたわ」
話題を切り出してきたのは真衣さん。
「本当だよね!」
そういうタイプじゃないのに、と瑠璃ちゃん。
「青春と言いましょうかね。こういうの」
咲子さんは微笑を浮かべた。
一方、鈴理先輩は曖昧に笑ってその場を受け流す。
そういえば先輩、さっきから姉妹と積極的に喋ろうとしないな。
口を閉ざしている事が多い。
もしかして一線引いているんだろうか?
晶子さん、言っていたよな。
自ら家族と接触しない性格だって。
姉妹と接触しているとなんとなく疎外感を抱いてしまうみたいだって。



