前略、肉食お嬢様―ヒロインな俺はお嬢様のカノジョ―



カッコイイの分類に入る大雅先輩を可愛いと言えるとは、凄いなこの子。


俺も可愛い?

あっらぁ、それは目の錯覚もしくは気の迷いだよ。フツーの男の子だもの。


でも妹さんは興奮気味に「いいな、いいな」物欲しそうな目で俺を見上げてきた。


「瑠璃も男の子欲しい。いいなぁ、瑠璃の学校、女子校だから男の子いないんだよね。ねえねえ鈴ちゃん、この人ちょーだい」


ちょーだい、だってさ。

ははっ、俺はつくづく物扱い……べつにいいけどね。


「馬鹿、駄目に決まっているだろう。空はあたしの所有物、つまりは彼女だぞ。絶対に駄目だ。その代わり大雅をやるから、大雅で我慢しろ。今度連れて来てやるから」

「やった! 約束ね!」

 
大雅先輩も物扱い、どんまいっす大雅先輩。

いいんっすか? 許婚さんをそんな扱いにして。


三点リーダーを連続させる俺は、いつまでも腰に抱きついてくる妹さんを指差し、


「これはどういうことっすか?」


先輩に説明を求める。

鈴理先輩は妹さんを引き剥がしながら(妹さん「うぇええっ、もうちょっといいじゃんかー!」)、淡々と説明してくれた。


「瑠璃は男の子スキーでな。男の子が大好きなんだ。ああ、男好きとはまた違う、純粋な男の子スキーだということを補足しておく。大雅のことも可愛い言うし、竹光のこともイカす紳士だと賛美するのだから。ちなみ瑠璃はあんたの二つ下で齢14。つまり中二だな」


「ははっ、男の子スキー」


肉食系女子に続き男の子スキーか、これまた濃いキャラがきたな。


「ねえねえ空ちゃん、歳幾つ? 高校生? 身長何センチ? 体重は? ねーえ」


空ちゃん……ああ、俺のことね。一応俺、先輩なんだけど、まあいいか。


妹さん改め瑠璃ちゃん(と呼ぶよう言われた)の質問に、今年で16だよ、高1だよ、身長は172cmだよ、体重は58キロだよ、律儀に答えてやる。


うんうんと頷いてくる瑠璃ちゃんは、どっから取り出したメモ帳にそれを走り書きし始めた。

なんのメモだよ、それ。


しかも「フルネームで名前書いて」と言われたもんだから、メモに署名。

メモ帳を返してやれば嬉しそうに受け取る。


うん、俺的になんのメモなのかすこぶる気になるんだけど瑠璃ちゃん。
 

瑠璃ちゃんも夕食を取るということなんで、俺達は三人仲良くダイニングルームに入る。