前略、肉食お嬢様―ヒロインな俺はお嬢様のカノジョ―



「た、たたた大雅先輩っ! あ、あの俺でも、ロールキャベツ系男子になれますか?!」

「お前のやる気次第で、どどーんっとなれるぜ。ロールキャベツ系男子」


「ほ……ほんとっすか?」


「おう、ほんともほんと。安心しろ。乙女な鈴理のために、この俺がどーんっとお前をロールキャベツ系男子に「空にナニを吹き込んでいる。こんの大馬鹿者が!」


ガンッ―!


学食堂の天井を突き抜けるような物音と共に、大雅先輩の頭に降ってきたのはお見事な踵落とし。


両手で頭を押さえる大雅先輩と、呆気に取られる俺。

フンと鼻を鳴らす犯人に対して、大雅先輩が何しやがるんだと大喝破した。


犯人は俺等の話題の中心となっている鈴理先輩本人。


悪びれた様子も無く捲れたプリーツを直すと、ずんずんと大雅先輩に歩み寄って「誰が乙女だ」こめかみに青筋を浮かべる。


「大雅、あんた……あたしが乙女と呼ばれることに対し、すこぶる嫌悪感を抱いていることを知らんわけではなかろう。
それに、なんであんたが空と一緒にいるんだ……まさか、いたらん真似をしているのでは」


「いっでぇ。この暴力女め。痛烈な踵落としを食らわせやがって。
ハッ、それにな、俺が豊福と一緒にいてナニが悪いんだ。こいつはな、俺と友達になって下さいって頼んできたんだ。ヤサシー俺はそれに応じたわけだ」


なんか、最初から俺が大雅先輩とお友達になりたかったみたいな言い方されているけど、べつにそういうわけでも……今口を出したらややこしいことになるから黙っておくけどさ。


「空が?」


整った眉根をつり上げる鈴理先輩が俺を流し目にしてきた。

曖昧に笑って俺はむしゃむしゃとごぼうスティックを歯先で噛み砕くことに専念する。美味い、ごぼうスティック、美味いよ。