前略、肉食お嬢様―ヒロインな俺はお嬢様のカノジョ―



だって今回のデートの費用は両親が出してくれたわけだし、せめてお礼に何か持って帰りたいじゃないか。

いや勿論お土産に何か買うつもりでもあるけれど……ただなぁ、問題はお持ち帰りの際、タッパーを本当に買うべきかどうか。


タッパーは我が家に沢山あるんだ。


便利極まりないタッパーといえど、百円均一で売っているキャツは百円もする品物だし。


いや、正しくは百円上乗せ五円された品物。

もっとお金を掛けずに持ち帰る方法は無いんだろうか。


タッパーを買わず、尚且つ家に持ち帰る方法。


あ、そうだ、閃いた。

もしもの時はラップに包んでもらおう。飲食店なんだからタッパーが無くても、ラップくらいあるだろうし。

よし決めた、この手でいこう。

ポンッと手を叩いて自分の案に自己満足する俺だったけど、向こうに座っていた先輩は何故か、引き攣り笑い。


え、なに、そんなにおかしいこと言った?

キョトンと先輩を見つめれば、ふーっと先輩は遠目で窓辺をちらり。


「なあ、空。あんた、ケチと言われたこと、ないか?」

「え、あ、うーん……時々あるっす。俺的にはそのつもりはないんですけど、友達や両親にケチってちょいちょい言われたり言われなかったり」

「うむ。的確な返答をありがとう。おかげで、すこぶる納得しているあたしがいる」


「け、ケチじゃなく倹約家なんっすよ。なのになーんでか皆、ケチって言うんっす……先輩も、俺のことケチだと思いますか?」


ちょい不安になって先輩に質問をしてみる。仮にも目前の方はお嬢様だ。


ケチ、じゃなくて、節約術とかいう単語は無縁だろうし、今の一面で失望しちまったかも。


俺自身悪い面だとは思わないけど、環境や育ちが違うと価値観が違う。


遠目を作っている先輩を見ていると、もしかしてもしかしたら失望されちまったかも。

刹那、先輩は「かもなぁ」とケチの面を迷わず肯定、反して柔和に綻んできた。