「じゃあ先輩、俺が勝手に先輩を撮ってもいいんっすか? 保存して観賞するっすよ?」
「それはとても嬉しいな。つまり空があたしのことを想ってくれているということだろ?」
「~~~せんぱいっ……嫌じゃないんっすか?」
「全然。空に想われるのだから、幾らだって撮ってもらって構わない。あたしがこうやって空を撮っているのは、好きな奴をいつでも見られるようにという行為からだしな。好きな奴の画像は幾つあってもいい。まあ、本物には劣るが。本物に勝るものなどないと思うぞ、おっと空、顔が赤いが大丈夫か?」
確信犯はニヤリニヤリ、俺の顔を見て口角をつり上げている。
俺はといえば、誤魔化すようにちびちび水を飲んで喉を潤していた。
くそう、珍しく攻めようと思ったのに(頑張って観賞するという言葉も付け足したのに)、あっという間に返り討ちにされちまったよ。
チラッと先輩を流し目。
俺の反応を面白おかしそうに楽しんでいる。
テーブルに頬杖を付いて、極上の攻め笑みを浮かべてきた。
「空はあたしに想われるのが嫌か? 反応からして、喜んでいるように見えるが」
ゴフッ。
食道を通る筈の水が気道に寄り道してくれたおかげで、俺は盛大に咽る羽目になった。
「ははっ、真っ赤だな」
余裕綽々で笑う鈴理先輩を軽く睨んでも無効化。
今回も俺の敗北は決定のようだ。先輩に勝ったことないけどさ。



